2017-11

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自治体とは

   自治体とは

  「自治体」とは「行政機構(役所)」のことではない。自治体の主体は市民である。市民が政府(首長と議会)を選出し制御し交代させるのである。これが「市民自治の政府信託理論」である。選挙は信託契約である。信託は白紙委任ではない。四年期限の信頼委託契約である。重大な背信行為のときには「信託解除権」の発動となる。
 行政機構は市民自治の事務局であって「統治機構」ではない。
 
 自治体学会で「自治体」の概念をめぐって次のように見解が錯綜したことがあった。
(1) 「自治体」とは「政府」のことであるから「市民」は含まない。 
(2) 「自治体」とは「市民」と「政府」の双方を包含する言葉であ る。
(3) 役場の文書や会議で使う「自治体」は「都道府県庁、市役 所、町村役場」のことだ。
(4) 役所だけを「自治体」と僣称することに違和感を覚える。
(5) 自治体とは「まち」のことで、自治体は空間的イメージであ る。
 概念・用語は思考の道具である。理論的思考力を高めるには基礎概念を曖昧に使用してはならない。

 旧内務省の言葉遣いでは住民は行政の被治者であって「自治主体」ではない。お上の官庁を住民が批判し制御する「政治主体」を認めない。だから、「県庁や市役所」が「地方公共団体」であり「自治体」であった。
 だが、旧内務省用語で基礎概念を混同してはならない。
 「自治体」とは「自治主体の市民」と「制度主体の政府」を意味する言葉である。
 (詳細は「新自治体学入門」2章「自治体の概念」(16頁) に記載した)

 「地方公共団体」と「自治体」
 総務省官僚は意図的に「自治体」と言わない。「地方公共団体」の言葉を使う。なぜであろうか。
 総務官僚が全国の都道府県・市町村を統制支配したいからである。旧内務官僚の統制支配の意識が今も継続保持されているのである。そして、この統治意識を再生産しているのが、大学法学部の憲法・行政法学の講義である。
 かくして「憲法は変われども行政は変わらず」である。自治体学会は「国家統治」の理論を「市民自治」の理論に転換する研鑽の場として設立されたのである。
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